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あなたは、現在の仕事や就職、転職のためにFP資格を必要としたり、
また自分自身や家族のため、暮らしとお金に関する知識を得ようとする
目的で、FP資格を取得したいと考えているかもしれません。
ただ、ひとくちにFP資格といっても、いろいろな種類があります。
初心者には、FP資格にどんな種類があるのか、わかりにくいですよね。
この記事では、FP資格には具体的にどんな種類があるのかを
わかりやすく解説します。
自分がどのFP資格をめざせばよいかについて、ぜひ参考にしてください。
FP資格にはどういう種類があるか?
FP資格には国家資格と民間資格があります。
国家資格としてのFP資格
国家資格としてのFP資格は、3つあります。
FP試験のやさしい順から、
・3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)
・2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)
となっています。
FP3級~FP1級を取得すると、資格の有効期限はなく、生涯有効です。
FP3級(3級ファイナンシャル・プランニング技能士)とは?
FP3級は、FP(ファイナンシャル・プランナー)としての基礎的・
入門的な資格です。
FP3級を取得すると、暮らしとお金に関する基礎的な金融知識を
得ることができます。
まず、家計管理にFPの知識を活かせます。
また、年金、保険、相続など人生のさまざまな局面で、お金に
関して、有効な対処法をとれるようになります。
一方、FP3級は入門的な資格ですので、FPの知識としてはまだ不十分
です。保険、年金、相続等の相談にのる等の仕事はできません。
仕事としてFP業務を行うためには、(法律上決められてはいませんが)
FP2級以上の資格が通常必要とされています。
FP3級取得のためには、FP3級の学科試験と実技試験の両方の合格が
必要です。
FP3級試験の合格率は、学科試験が70%程度、実技試験が80%程度と高く
(日本FP協会の場合)、独学でも合格が容易な試験とされています。
お金に関して興味があり、専門的な知識を得たい方は、まずFP3級
試験を受検されることをおすすめします(独学でも可)。
FP2級(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)とは?
FP2級は、FP3級より上級の資格です。
FPに必要な幅広い知識と技能を十分習得し、顧客に対して相談業務を
行える、最低限の資格と考えられています。
FP2級を取得したからといって、誰でも即FPの仕事ができるようになる
とはいえませんが、銀行、証券、保険などの金融機関や、不動産業界
におけるFP資格保持者(企業系FP)や独立系FPは、FP2級以上をもって
いるのが普通です。
FP2級はFP関連業務に従事される方にとって、ほぼ必須の資格と
いえるでしょう。
また、FPの仕事はせず、自分や家族のためにお金に関する知識を
勉強する方も、FP3級だけではあきたらず、FP2級まで取得する方
も多いです。
FP2級取得のためには、FP2級の学科試験と実技試験の両方の合格が
必要です。
FP2級試験の合格率はFP3級より低く、学科試験が40%程度、実技試験
が60%程度(日本FP協会の場合)です。
FP2級の難易度はFP3級より高く、独学でも合格できる方がいる一方、
通信・通学などの教育機関をうまく利用して合格を勝ち取る方も
多いです。
FP1級(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)とは?
FP1級は、国家資格としてFPの最上級資格です。
FP2級でもFPの仕事はできますが、独立系FPなどでは、FP1級取得者が
多いです。
FPのプロとして活躍したいのなら、FP1級を取得した方がよいでしょう。
FP1級は難関資格とされており、学科試験の合格率はわずか10%程度です。
学科試験を受けずにFP1級を取得する方法もありますが、いずれにしても
実技試験の合格が必要です。
FP1級取得は難易度が高く、独学での合格がなかなか困難なため、
教育期間を利用して受験勉強をする方も多いです。
またFP1級実技試験の受検資格には、原則的に実務経験が必要です。
FP1級試験については、仕組みが複雑なので、別のページで
詳しく解説します。
民間資格としてのFP資格
FPの民間資格は、日本FP協会が認定している、次の2つがあります。
・AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)
・CFP (サーティファイド ファイナンシャル プランナー)
AFP資格とは?
AFP資格は日本FP協会が認定している民間資格です。
日本FP協会の「AFP資格とは?」のページから引用しますと
AFP資格は、FPとして必要かつ十分な基礎知識を持ち、相談者に
対して適切なアドバイスや提案ができるFP技能を習得した者に
与えられる資格です。日本FP協会では資格認定に際して「教育」
「試験」「倫理」を重視し、健全で質の高いFPの育成に努める
とともに、継続的な能力の維持向上を図っています。
となっています。
AFP資格は、単に試験に合格すれば良いということではなく、
継続的な教育や、倫理が求められる資格です。
AFP認定者には、2年毎に資格更新が義務付けられており、
資格更新要件として所定の継続教育を受ける必要があります。
そのため、AFP資格を維持するためには、日本FP協会の会費や
継続教育等のための費用も必要になります。
仕事としてFPを名乗り、名刺にもFPの肩書を必要とする方は、
(FP2級でも仕事はできますが)AFP資格は取得しておいた方
が有利と思われます。
FP2級の資格は生涯有効ですが、AFPは2年毎の更新が必要なので
常に最新の知識やスキルを学び続けられます。
一方、AFP資格維持のためには、継続教育と費用が必要になるので、
仕事でどうしてもAFP資格が必要という方以外は、AFP資格取得
について、よく考えられた方がよいでしょう。
AFP認定者になるには、
AFP認定研修の修了 および FP2級試験(2級FP技能検定)合格
→AFP資格登録手続き → AFP認定
となります。詳しくは別ページで解説します。
CFP資格とは?
CFP資格は、世界24カ国・地域(2019年2月現在)で導入されている、
「世界が認めるプロフェッショナルFPの証」で、FPの頂点とも
言える資格です。
日本では日本FP協会が認定しています。
FPのプロとして活躍するためには、AFPより上位のCFP資格認定まで
進まれるとよいでしょう。
CFP認定者になるためには、まずAFP認定者になる必要があります。
その後、以下のステップでCFP認定者になれます。
CFP資格審査試験6課目に合格する → CFPエントリー研修の受講・修了
→ 通算で3年以上の実務経験がある → 登録申請 → CFP資格認定
CFP資格審査試験6課目の合格はかなり学習が必要で、難易度も
高くなります。6課目を一度の試験で一気に合格できる方は
多くありません。1~3科目ずつ受検するという方も多いです。
また、CFPはAFPと同様に、2年毎の更新が必要です。
継続教育のための単位取得が義務付けられ、必要とする
単位数もAFPより多いです。
もちろん日本FP協会の会費や継続教育費用もかかります。
したがって、CFPはFPのプロが取得するべき資格と言えるでしょう。
FP資格のまとめ
FP資格の種類について各種述べてきましたが、FP試験の難易度・
資格取得の難易度からみると、
最も難易度が高いのがFP1級とCFP、次に高いのがFP2級とAFP、
その下に入門レベルといわれるFP3級となります。
FPの仕事はしないが、実生活に役立つ自分のお金に関するリテラシーを
向上させたり、自己啓発のためにFP資格をめざすのなら
FP3級でも基礎的な知識は身につきます。
さらに深く学習したいのなら、FP2級まで取得すればよいでしょう。
FPの仕事に従事しない方がAFPを取得してもよいのですが、
2年毎の資格更新のために継続教育が必要となり、
FP協会の会費と共に、費用がかかります。
それでも、AFP資格を取得すれば、継続教育を受けることにより、
最新の知識やスキルが身につくというメリットもあります。
一方、実務としてのFPをめざすのなら、FP2級やAFP以上が必要
となります。
プロのFPとしてさらに上をめざすのなら、FP1級やCFPの取得が
望ましいでしょう。