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FP資格を金融業界や不動産業界等で勤務するため、または独立
するために仕事に活かしている方はたくさんいます。
それでは、FP資格はFP関連の仕事に就かなければ活かせないの
でしょうか?
この記事では、FP資格が実生活に活かせるかどうかについて解説します。
FP資格の知識は実用性がある?
FP資格は仕事に役立つけれど、実生活に活かせる実用性はないのでしょうか?
いいえ。
FP資格やFP資格取得のための勉強は、実生活に大いに役立ち、
実用性があります。
仕事だけでなく、自己啓発目的でFP資格をめざす方にとっても
FP資格は生活上、大きなメリットを得られます。
FP資格取得のためには、以下の6分野を学習します。
6分野をまんべんなく学習することで、専門知識が身につき、
仕事はもちろんのこと、日常生活におけるお金関係のことにも
大いに役立ちます。
実生活に役立つ実用性が何なのかを、6分野の各分野ごとに
みていきましょう。
※以下の主な学習内容は、FP2級の試験範囲から抜粋しています。
自己啓発目的でも、できればFP2級まで取得するのがおすすめ
ですが、基礎的な内容はFP3級も網羅しています。
ライフプランニングと資金計画
[主な学習内容]
・ライフプランニングの考え方・手法
・社会保険
・公的年金
・企業年金・個人年金等
・年金と税金
・ライフプラン策定上の資金計画
[実用性]
・ご自身の夢に基づき、ライフイベント表、キャッシュフロー表
個人のバランスシートなどが作成できます。
またそれらの表に基づき、将来の資金計画を立てることが
できます。
・資金計画により、日常の家計の見直しに役立ちます。
・社会保険(公的医療保険、健康保険、公的介護保険、
労災保険、雇用保険等)について一般的な知識を得られ、
自分にとって損のないように正しく使えるようになります。
・公的年金(国民年金、厚生年金、老齢給付、障害給付等)
について一般的な知識を得られ、年金・給付のもらい忘れ等を
防ぎ、損のないように正しく利用できるようになります。
・企業年金・個人年金等について一般的な知識を得られ、損の
ないように正しく利用できるようになります。
・公的年金・企業年金・個人年金に係る税金について一般的な
知識を得られます。
・住宅取得時の自己資金の作り方や住宅ローン、住宅に関する
税金等について一般的な知識を得られ、ご自身の住宅取得プラン
に大いに役立ちます。
・必要な教育費、教育資金の作り方、教育ローン、奨学金等に
ついて一般的な知識を得られ、お子さんの教育資金プラン作りに
大いに役立ちます。
・必要な老後資金、老後資金の作り方・運用方法、老後生活の
リスク等について一般的な知識を得られ、ご自身のリタイア
メントプランに大いに役立ちます。
リスク管理
[主な学習内容]
・リスクマネジメント
・保険制度全般
・生命保険
・損害保険
・第三分野の保険
・リスク管理と保険
[実用性]
・生命保険の仕組み、生命保険商品、特約、生命保険の税金等
について一般的な知識を得られ、自分で必要な保障を見極めら
れるようになります。
(外交員から勧められるままに、よく考えもせず保険に入ると
いうことはなくなります。)
また生命保険に関する税金の知識も得られます。
・損害保険の仕組み、損害保険商品、損害保険関係の税金等に
ついて一般的な知識を得られ、どのような商品がご自身に向いて
いるか判断できるようになります。
・第三分野の保険(医療保険、ガン保険、介護保険等)について
一般的な知識を得られ、自分で理解してから加入できるように
なります。
・既に加入している保険の見直しに役立ちます。
金融資産運用
[主な学習内容]
・マーケット環境の理解
・預貯金・金融類似商品等
・投資信託
・債券投資
・株式投資
・外貨建商品
・保険商品
・金融派生商品
・ポートフォリオ運用
・金融商品と税金
・関連法規
[実用性]
・主なマーケット指標について一般的な知識を得られ、新聞の
経済欄や、テレビ・ネットの経済ニュースを理解できるように
なります。
・マーケットの変動要因に関して一般的な知識を得られ、ご自身
の投資活動に役立ちます。
・預貯金、投資信託、債券投資、株式投資、外貨建商品、保険
商品等について一般的な知識を得られ、ご自身の資産形成、
投資活動に役立ちます。
・投資リスク、分散投資等に関して一般的な知識を得られます。
・金融商品と税金に関して一般的な知識を得られ、確定申告時
などに役立ちます。
タックスプランニング
[主な学習内容]
・所得税の仕組み
・各種所得の内容
・損益通算
・所得控除
・税額控除
・所得税の申告と納付
・個人住民税
・個人事業税
・法人税
・法人住民税
・法人事業税
・消費税
[実用性]
・所得税の仕組み、各種所得の内容、損益通算、所得控除、
税額控除、所得税の申告と納付等について一般的な知識を
得られます。
・確定申告を自分でできるようになり、節税効果も期待できます。
(所得控除における、医療費控除、生命保険控除、寄付金控除
等々)
・住民税について一般的な知識を得られ、確定申告時などに
役立ちます。
不動産
[主な学習内容]
・不動産の見方
・不動産の取引
・不動産に関する法令上の規制
・不動産の取得・保有に係る税金
・不動産の譲渡に係る税金
・不動産の賃貸
・不動産の有効活用
・不動産の証券化
[実用性]
・不動産の見方・取引・取得/保有に係る税金・譲渡に係る税金・
賃貸・有効活用、不動産に関する法令上の規制等に関して一般的
な知識を得られ、ご自身の不動産取得・保有、賃貸、有効活用等
の場合に役立ちます。
相続・事業承継
[主な学習内容]
・贈与と法律
・贈与と税金
・相続と法律
・相続と税金
・相続財産の評価(不動産・不動産以外)
・不動産の相続対策
・相続と保険の活用
・事業承継対策
[実用性]
・贈与と贈与の税金に関して一般的な知識を得られ、適正な納税
の下で贈与ができるようになります。
・相続と法律、相続と税金について一般的な知識を得られ、特に
ご家族等に相続が発生した場合、大いに役立ちます。
・相続財産の評価(不動産・不動産以外)、不動産の相続対策、
相続と保険の活用等について一般的な知識を得られ、相続が発生
する前の対策に役立ちます。
まとめ
お金に関する教育は学校では十分教えてくれません。
たとえFPの仕事に就かず、自己啓発目的でも、FP資格、FP資格の
勉強は、ご自身の実生活に大いに役立つことがわかりました。
また、FPのプロとして助言するためには修行が必要ですが、
ご自身だけでなく、周囲の方にFP知識を活かして、ある程度
アドバイスもできるようになります。
人生や日常生活に、お金に関すること、お金の裏付けは欠かせ
ません。
長い人生において、FPの知識があるとないとでは、
金銭的だけではなく人生の豊かさも変わってくるかもしれません。
少しでもFPに興味があれば、FP資格の取得は決して無駄には
ならないでしょう。
※例として、小学生以下のお子さん2人の4人家族でしたら、
FPの知識を以下のように活かされたらよいかと思います。
・ライフイベント表、キャッシュフロー表、個人のバランス
シートを作成する。
・人生の3大イベントと言われている、「住宅取得」「子どもの
教育」「老後の生活」について、それぞれ資金計画を作成する。
・その他、高額な資金を要する子供の結婚資金・住宅資金援助、
マイホームのリフォーム資金、自動車購入、海外旅行等について
資金計画を立てる。
・上記の資金計画に基づき、FPの知識を活用して、家計を改善
する。
(節約、再雇用、副業、パート、保険の見直し、貯蓄、投資、
住み替え等)
・確定申告にFPの知識を活かす。
・贈与・相続時にFPの知識を活かす。
・不動産の取得・所有・譲渡・賃貸等の場合にFPの知識を
活かす。
※余談ですが、CFPの資格保有の管理人も、以下の時にFPの知識が
大いに役立ち、現在も役立っています。
・家族の相続が発生したとき。
・毎年の確定申告
・保険の見直し
・投資商品を選ぶ時、ポートフォリオ組み換え
・家計の見直し、節約 等