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FP試験の受検資格に「実務経験」が必要な場合があります。
この記事では
●FP試験に実務経験が必要なのはどんな場合か?
●実務経験がなくても、FP試験を受検できる方法は?
●実務経験とはどんな仕事が認められるのか?
について詳しく解説します。
FP2級または、FP1級の受検予定の方は、ぜひ参考にしてください。
FP試験受検に必要な実務経験とは?
受検資格に実務経験が必要とされるFP試験とは?
受検資格に実務試験が必要とされるのは、FP2級とFP1級です。
FP2級の受検資格
FP2級の受検資格は、以下のいずれかに該当する者です。
a.日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者
b.3級FP技能検定の合格者
c.FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
(必要事項:勤務先名と経験年数。※自己申告のため証明書類は不要)
d.厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
上のcの資格で受検する場合に、実務経験が必要です。
FP1級 学科試験の受検資格
FP1級 学科試験の受検資格は、以下のいずれかに該当する者
です。
a.2級技能検定合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を
有する者(注1)
b.FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者
c.厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の
実務経験を有する者(注1)
a,b,c いずれの場合にも実務経験が必要になります。
(注1)「1年以上の実務経験」については、合格の前後を
問いません。
FP1級 実技試験の受検資格
FP1級 実技試験の受検資格は、以下のいずれかに該当する者
です。
a. CFP認定者
b. CFP資格審査試験の合格者(注2)
(有効期限:CFPR資格審査試験の合格日の翌々年度末までに
実施される1級FP技能検定)
c. FP1級学科試験の合格者(注2)
d.「FP養成コース」(金融財政事情研究会が実施する「普通職業
訓練短期課程金融実務科FP養成コース」)修了者でFP業務に
関し1年以上の実務経験を有する者(注2)
e.1級FP技能士
(既に1級FP技能士の資格を持つ者が、FP協会の1級実技試験
資産設計提案業務 を受検する場合)
(注2)有効期限あり。合格日・修了日が実技試験の行われる日の
属する年度及びその前年度並びに前々年度に属するものに限られ
ます。
dの場合に実務経験が必要となります。
実務経験がなくても、FP試験を受検できる方法は?
実務経験がなくても、受検資格を得られる方法は次の通りです。
FP2級
厚生労働省認定金融渉外技能審査3級というのは一般的では
ないため、通常はFP3級を受検して合格するか、AFP認定研修を修了するか
になります。
FP2級だけでなく、AFP取得を考えている方は、3級を受検せず、
通信講座などでAFP研修を受講すれば効率的です。
FP1級 学科試験
受検には必ず実務経験が必要になります。
実務経験なしで、FP1級を取得したい場合には、CFP資格審査試験
に合格すれば、1級の学科試験が免除になり、いきなり
1級の実技試験を受検できます。
FP1級 実技試験
「FP養成コース」修了者の資格で受検する場合以外は、実務経験
は必要ありません。
実務経験とはどんな仕事が認められるのか
実務経験期間の計算
実務経験○年以上となっている期間の計算方法ですが、
実務経験の期間は、受検申請受付最終日現在で計算します。
複数の企業等での経験年数は合算できます。
(例)(A社)1年7カ月+(B社)1年8カ月= 3年3カ月
実務経験の内容
資産の設計・運用・管理及びこれらに係わる相談業務、
コンサルティング業務等、ファイナンシャル・プランニング業務
に携わった経験をいいます。
なお、「業務」(仕事)として担当した経験が対象となります。
個人的な取り組み(趣味など)は含まれません。
実務経験として認められる具体例
以下の方は概ね実務経験として認められます。
・証券会社、保険会社、銀行、クレジット会社などの金融機関
勤務
・保険会社(代理店)の職員
・税理士、弁護士、司法書士、行政書士などで、資産に関する
相談業務に従事
・会計事務所の職員
・不動産会社、建設会社など土地建物取引・建築・相談業務
に従事
・投資顧問会社の職員
・生活協同組合などの共済等の担当職員
・商品先物取引会社の職員
・一般事業会社および官公庁の福利厚生担当者および、
金融・財務・経理担当者
・商事会社の商社金融担当者、商事会社やコンピュータ会社等
の金融機関営業担当者および、ソフト開発担当者
なお、補助業務も含みます。
実務経験の有無による、FP資格取得までの試験のルート
FP2級とFP1級の受験資格には、一部実務経験が含まれています。
実務経験を十分活用して、受検することもできますが、
実務経験がなくてもFP1級まで取得することは可能です。
実務経験の有無によって、受検のルートが違ってきますので
まとめました。
証券会社、保険会社、銀行、不動産会社等で実務経験がある方
2年以上の実務経験がある方は、3級受検なしで、いきなりFP2級
の受検ができます。
AFP、CFP、FP1級までをめざす方は、FP2級に合格すれば、
既に「実務経験1年以上」を満たしているので、1級学科試験も受検できます。
合格すれば、1級実技試験を受検できます。
1級学科試験は難関なので、受検を回避したい場合には、
実務経験のない方と同様のルートになります。
AFP認定研修→FP2級受検(合格)→CFP資格審査試験(合格)
→1級学科試験免除で、1級の実技試験に臨めます。
実務経験が5年以上あれば、3級、2級の受検なしで、いきなり
1級学科試験を受検することも可能です。
しかし、1級はかなり難関なので、通常は試験勉強を十分して
2級から受検した方がよいでしょう。
実務経験のない方
AFP、CFP、FP1級を目指さず、FP2級取得まででよい方
FP3級を受検し、合格したらFP2級を受検しましょう。
AFP、CFP、FP1級を目指す方
3級は受検せず、AFP認定研修を受講し、修了後、FP2級を
受検しましょう。
合格後、CFP資格審査試験を受検し、合格となれば、
1級学科試験は免除されるので、1級実技試験を受検しましょう。
まとめ
FP2級とFP1級の受検資格には一部、実務経験が含まれています。
実務経験は自己申告でよく、かなり幅広い業務に認められて
います。
金融機関に勤務などで既に実務経験がある方は、いきなりFP2級の
受検ができるので、効率的に資格取得を進められます。
しかし、全く実務経験がない方でも、FP1級まで取得が可能です。
ご自身の経験、目的に合わせて最適なルートで、合格をめざして
くださいね。