この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

試験解答用紙
 
FP3級の実技試験は、FP協会が1科目、きんざいが2科目の
合計3科目あります。

この記事では

●FP3級の実技試験科目は何か?
●FP3級の実技試験の概要
●FP3級実技試験科目の違いと選び方
●FP3級実技試験の勉強法

について、解説します。
実技試験の選択や、勉強の際に参考にしてください。

スポンサーリンク

FP3級の実技試験

FP3級の実技試験科目

FP3級の実技試験科目は、下記の3科目です。
実技試験のどの科目で合格しても、学科試験も合格すればFP3級を取得できます。

FP協会:
●資産設計提案業務

きんざい:
●個人資産相談業務
●保険顧客資産相談業務

実技試験科目を選択することにより、自分が受検する
試験機関(FP協会かきんざいか)が自動的に決まります。

通常、学科試験と実技試験を1日で受検しますので、
実技試験の科目を選んだ方の試験機関で学科試験も
受検することになります。

FP3級の実技試験の概要

FP3級の実技試験の出題形式、試験時間、合格基準、
合格率は以下の通りです。

FP協会 「資産設計提案業務」

●出題形式:筆記(マークシート形式)(三択)
●問題数: 20問
●試験時間:60分
●合格基準:60点以上(100点満点)
●受検手数料:3,000円 (実技のみの場合)

きんざい「個人資産相談業務」「保険顧客資産相談業務」

●出題形式:筆記(事例形式)(三択)
●問題数: 5題
●試験時間:60分
●合格基準:30点以上(50点満点)
●受検手数料:3,000円 (実技のみの場合)

FP3級の実技試験合格率

[FP協会]

試験日 (資産設計提案業務)

2020年5月     中止
2020年1月    79.45%
2019年9月    79.48%
2019年5月    86.42%
2019年1月    83.38%
2018年9月    86.50%

[きんざい]

試験日        (個人)     (保険)

2020年5月  中止    中止
2020年1月  50.22%   48.19%
2019年9月  45.44%   43.31%
2019年5月  54.35%   44.85%
2019年1月  56.21%   39.32%
2018年9月  51.46%   34.32%
2018年5月  71.20%   35.69%

スポンサーリンク

FP3級実技試験科目の違いと選び方

3つの試験科目の違いをみてみましょう。

保険顧客資産相談業務(きんざい)

FP試験の試験範囲である6分野のうち、リスク管理(保険分野)
からの出題が4割を占めます。

金融資産運用、及び不動産分野からの出題はありません。

以上のことより、保険を扱う職業の方、保険関係の仕事に
就きたい方、保険について勉強したい方に向いています。

一方、特に保険に特化して勉強する必要のない方には
おすすめしません。

「保険顧客資産相談業務」専用の問題集が試験機関きんざい
から発行されています。問題集と類似の問題が多く出題
される傾向にあるため、勉強しやすいです。

合格率は約35~50%とあまり高くありません。

個人資産相談業務(きんざい)

リスク分野からの出題はありません。他の5分野から出題
されます。

リスク分野がないので、実技しか受検しない方で勉強する範囲を
絞りたい方に向いています。

「個人資産相談業務」専用の問題集が試験機関きんざい
から発行されています。問題集と類似の問題が多く出題
される傾向にあるため、勉強しやすいです。

合格率は約45~71%と保険顧客資産相談業務よりは
高いです。

資産設計提案業務(FP協会)

6分野すべてから出題されます。

「資産設計提案業務」に特化したテキスト・問題集はない
ため、一般のFP3級のテキスト・問題集で対策することに
なります。

新聞、パンフレット、チラシ等から出題される実務的な
問題も多いです。その点、日頃から経済やマネー情報に
触れている人は有利です。

全般的に問題の難易度は低く、解きやすい素直な問題が
多いです。

合格率も約76~86%と高いです。

FP3級実技試験科目の選び方のまとめ

(1) 保険関係の仕事をしている方、保険関係の仕事に
就きたい方、保険に興味があり学びたい方は、
「保険顧客資産相談業務」を(きんざい)選びましょう。

(2) (1)以外の方は、資産設計提案業務か、個人資産相談業務
となります。

どちらにするかですが、下記の中からご自分に合わせて
選びましょう。

○科目専用の問題集があり、問題集と類似の問題が出題される
傾向にあるため勉強しやすいと考える方
→「個人資産相談業務」(きんざい)

○解きやすい素直な問題が多く、合格率も高いからよいと
考える方 →「資産設計提案業務」(FP協会)

○日頃から経済やマネー情報によく触れている方
→「資産設計提案業務」(FP協会)

○FP協会ときんざいとでは試験会場が異ります。きんざいの方が
受検者が多く市町村単位での会場設定がされるため、自宅の近く
で受検できる可能性が高いです。

近くで受検したいと考える方→「個人資産相談業務」(きんざい)

○過去問を見て自分で解きやすい方を判断してもよいです。
→「資産設計提案業務」か、「個人資産相談業務」

FP3級実技試験の勉強法

実技試験といっても筆記試験(選択式)であるため、
勉強法は基本的に学科試験と変わりません。

「資産設計提案業務」(FP協会)の勉強法

(1)「資産設計提案業務」に特化したテキスト・問題集はない
ため、市販のFP3級テキスト・問題集を購入します。
市販のFP3級の教材は、「資産設計提案業務」に対応しています。

(2) テキストをひととおりざっと読みます。

(3)問題集の「資産設計提案業務」の問題をひととおり
解きます。

(4)「資産設計提案業務」の直近の過去問を解きます。

(5)間違えた箇所をテキスト・問題集で復習します。

(6)「資産設計提案業務」の1回前の過去問を解きます。

(7)間違えた箇所をテキスト・問題集で復習します。

(8)「資産設計提案業務」の2回前の過去問を解きます。

(9)間違えた箇所をテキスト・問題集で復習します。

(10) (4)~(9)をあと2回繰り返します。

「個人資産相談業務」および「保険顧客資産相談業務」の勉強法

(1)「個人資産相談業務」または「保険顧客資産相談業務」
に特化した以下の問題集を購入します。

○3級FP技能士(実技・個人資産相談業務)精選問題解説集
(きんざい)
○3級FP技能士(実技・保険顧客資産相談業務)精選問題解説集
(きんざい)

(2) (1)の教材をひととおりざっと読み、問題を解いてみます。

(3)「個人資産相談業務」または「保険顧客資産相談業務」
の直近の過去問を解きます。

(4)間違えた箇所をテキスト・問題集で復習します。

(5)「個人資産相談業務」または「保険顧客資産相談業務」
の1回前の過去問を解きます。

(6)間違えた箇所をテキスト・問題集で復習します。

(7)「個人資産相談業務」または「保険顧客資産相談業務」
の2回前の過去問を解きます。

(8)間違えた箇所をテキスト・問題集で復習します。

(9) (3)~(8)をあと2回繰り返します。

まとめ

FP3級の実技試験科目は3科目あり、選んだ科目により、
受検する試験機関が決まります。

保険に関する仕事関係の方、保険に興味がある方は
「保険顧客資産相談業務」を選びましょう。

それ以外の方は「資産設計提案業務」か、「個人資産相談
業務」となります。
どちらにするかは、勉強のしやすさや、試験会場の近さ、
過去問を見て解きやすいかどうか等で決めましょう。

実技試験の勉強法は基本的に学科試験と同じです。
過去問を中心に、テキスト・問題集を使って勉強して
いきましょう。